謎を秘めた中国・成都のラップ・ミュージック・シーン

昨年末まで文化放送の「MAU LISTEN TO THE EARTH」という番組でアジア各国のローカル・シーンの情報を定期的に発信してきたのですが、現在そうした情報発信はミュージック・レヴュー・サイト「Mikiki」でやらせていただいている連載「REAL Asian Music Report」のみ。というわけで、当然のごとくネタは溜まっていく一方です。
こちらのブログは主に自分の活動を報告する場としてきたのですが、アジアネタも含む音楽情報も定期的に更新していくことにしました(自分のメモ代わりという意味合いもあり)。

今回ご紹介するのは中国は成都市のラップ・グループ、Higher Brothersの「野猪儿 Black Cab」。リリックの内容は分かりませんが、ビートはゴリゴリのトラップ!

どうやら成都は中国におけるラップ・ミュージックの中心地のひとつになっているようで、Youtubeにはチェンドゥ・ラップ(Chengdu Rap)の興味深いPVが大量にアップされています。



何なんだろう、異常にそそられるこの感じは。北京や上海のアンダーグラウンド・シーンには関心を持っていたのですが、成都はノーチェックでした。ちょっと背景も含めて調査してみようと思います。

ミュージック・レヴュー・サイト「Mikiki」で新連載「REAL Asian Music Report」が始まっております!

うっかりこちらでお知らせするのを忘れていましたが、タワーレコードが運営するミュージック・レヴュー・サイト「Mikiki」にて新連載「REAL Asian Music Report」がスタートしております!

日本のメディアではあまり伝えられることのないアジア各地のローカル・シーンの現状を紹介する、というのが連載のテーマ。
1回目に登場してくれたのはミャンマー・エレクトロの鬼才、ターソー。2回目では台北のライヴハウス〈台北月見ル君想フ〉店主・寺尾ブッタさんが、3回目ではアジア各地のアーティストのライヴ/上映イヴェントをオーガナイズするなど活発な活動を行う山本佳奈子さん(Offshore)にご登場いただいております。
こちらの連載では寺尾さんや山本さんのようなアジア各地で活動を行う日本人の方々も紹介しつつ、時にはワタクシのセレクトによるアジア最新インディー動画も紹介していければと考えています。

「REAL Asian Music Report」の記事一覧はこちらからどうぞ!
http://mikiki.tokyo.jp/search?keyword=REAL%20Asian%20Music%20Report

最後に僕がドハマリしているエイジアンR&Bの動画をいくつか貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=DJM395kQ8Go
Illslick – ก่อนไป
こちらはタイのイルスリック。過去にはテヤン(BIG BANG)の“I need a girl”をリメイクしていたのでK-POP直系のR&Bアーティストかと思いきや、近作ではストーナーラップ的な酩酊感を打ち出していて、これがまたまろやかなタイ語の響きとやたら合うんです。

https://www.youtube.com/watch?v=jrzjgSsEb-s
The Bojam Project Refixes – Cool Ka Lang feat. Shane Anja
ここ数年高品質なサウンドプロダクションでフィリピンの音楽界を席巻しているアーバンミュージック・レーベル、フリップ・ミュージックの新曲。同レーベルの所属プロデューサー、ボジャムのリミックス・トラック。

https://www.youtube.com/watch?v=NZwGl78YRcc
Kimmese & JustaTee – Real Love
ちょっと前の曲ですが、ベトナムのキミーズとジャスタ・ティーのコラボ曲。モロにUS R&Bなスタイルですが、こういう曲調がアジア各国のポップチャートでひとつのスタンダードとなっているんですね。

……と挙げていけばキリがないんですが、続きは「Mikiki」の連載にて!

新潟県の豪雪地帯を見つめたドキュメンタリー映画「風の波紋」

20160212-171822.jpg
先日、ドキュメンタリー映画「風の波紋」の試写会にお邪魔いたしました。
監督を手がけたのは、佐藤真監督作品「阿賀に生きる」(92年)の撮影を手がけたほか、2009年にはケニアのストリート・チルドレンを描いた「チョコラ!」を監督した小林茂さん。どちらも大好きな作品だけに、今回も期待に胸を膨らませて試写会場に足を運びました。

この作品の舞台は、新潟県の長野県境に近い豪雪地帯「妻有(つまり)地方」。稲作を主な生業とする小規模な集落が点在するこの地方のうち、小林監督は十日町や松之山、津南、上越に住む人々に目を向けます。
この作品がユニークなのは、集落に代々住む人々だけでなく、都会からのIターン移住者にも目を向けているということ。登場人物のひとりである小暮茂夫さんは2002年に東京から中立山集落に移り住んだ方で、住居は茅葺き屋根の古民家。荒れ果てた棚田にみずから手を入れ、古来からの村落生活にどっぷりと浸かる毎日です。カメラはそんな小暮さんの生活を優しく見つめます。
また、そんなIターン移住者を支える代々の村民たちの優しい眼差しも印象的でした。やはり古老たちの言葉には重みがあり、彼らが出てくるだけで画面がぐっと引き締まります。先祖から代々受け継がれてきたであろう生活の知恵や美学のようなものが言葉の端々から伺えるのがいいですね。僕らもこうした古老たちに取材させていただく機会が多いため、「この人たちにお話を聞いてみたい!」という欲望がムクムクッと沸き上がってきました。

この映画の素晴らしさとは、過疎化する農村の厳しい現実を捉えながらも、決してそれだけではなく、Iターン移住者や地域おこし協力隊という外部からの動きとその交流をしっかりと描いたところにあると思います。
もちろん移住者のみなさんのなかにも日々の生活における苦悩や今後の生活に対する不安はあるはずですが、そこに本作の主眼はありません。新住民/旧住民が入り混じった日々の生活を通じ、今後の村落社会の可能性というものを優しく提示しようとしているところに本作の目的はあるように思えます。もしも「可能性」という言葉が楽観的すぎるのだとすれば、「もうひとつの生活のかたち」を提示しているというか。スクリーンの向こうから「こういう生き方もできるんですよ」という声が聞こえてくるような気がしました。

また、妻有地方の自然の移り変わりを見事に捉えた映像の美しさは溜め息がこぼれるほど。冬に降り積もる雪の白さ、春から初夏にかけての新緑の瑞々しさ、夏の水田の生命力みなぎる青さ。人工的な色彩は一切出てこないのに、とてもカラフルな作品を観たという充足感が残ります。

個人的にいえば、自分たちが現在やっていることと重なり合うものがあまりに多いため、「自分だったらどう撮るだろうか?/どう書くだろうか?」ということばかりを考えながら観ていました。終盤、どんど焼きのシーンがチラリとインサートされますが、数百年の間続いてきた集落の過去の気配がふわっと立ち上がってくるかのようなこのシーンにはやはりゾクッとさせられました。古来からの生活と現在の生活が混ざり合い、過去と現在と未来がひとつに溶け合ってしまったようなシーン。僕らがなぜ祭りや民俗芸能を追いかけているのか、少し分かったような気がしました。

なお、今回の試写会に誘ってくれたのは、長岡市在住の友人である伊部勝俊くんでした(小林茂監督も長岡在住のようですね)。彼からいただいたメールには「僕らの地元の映画を観てくれ」とでもいった気迫みたいなものが伝わってきて、心打たれるものがありました。制作および上映に関して地元のみなさんを含めた有志の方々がサポートしているようですが、そうしたバックアップ体制を作れること自体が素晴らしいことだと思います。
そして、見終わった後、妻有地方に足を運んでみたくなるのもこの映画の力ですね。ぜひ作品のなかに登場した古老たちに会ってみたい、そんな思いにも駆られた素晴らしい作品でした。

映画「風の波紋」は3月19日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー。
公式サイトでは応援団も募集しているとのこと。

映画「風の波紋」公式サイト
http://kazenohamon.com/

町中に「カッカッカー」という威勢のいい声が響き渡る、かみのやま温泉の奇習「カセ鳥」(山形県上山市)

昨日は山形県上山市で毎年行われている奇習「カセ鳥」を取材してきました、

「カセ鳥」とは「ケンダイ」とよばれる藁蓑で全身を覆った人々(今年は全部で34人)が町中を練り歩き、民宿の前などで「カッカッカーのカッカッカ」という歌と共に奇妙な舞を披露するという風変わりな行事。沿道の人たちはケンダイを被った人々に対して容赦なく冷水をぶっかけまくるのですが(!)、この奇習、実は寛永年間(1624〜1645年)から行われてるとされる歴史ある火伏せ行事。五穀豊穣を願うものでもありますね。

地元の図書館で郷土資料を片っ端からひっくり返してみたところ、明治以前は近隣で似たような行事が数多く行われていたことを知ってビックリ。カセ鳥も明治に入って一時伝統が途絶え、戦後になってから再開されたのですが、かつては「奇習」でもなんでもなく、そこいら中で行われていた行事だったわけですね。その背景や他の芸能・民俗信仰との共通性など考えさせられることも多く、とても意義のある取材となりました。

ちなみに、山形県上山市を舞台とした小川紳介監督作品「ニッポン国 古屋敷村」や「1000年刻みの日時計 牧野村物語」にメチャクチャ影響を受けているにも関わらず、山形に行ったのは今回が初めて。上山は蔵王への信仰登山の起点でもありますし、今回の旅で一気に目の前に広大な世界が開けてしまったような感覚があります。ここ数年、西にばかり意識が向かっていたのですが、東北方面への関心が久々に再燃しそうな気配!

20160212-151515.jpg

20160212-151551.jpg

20160212-151619.jpg

愛嬌のある赤鬼・青鬼が松明と鉾を手に暴れまくる「東光寺の田遊び・鬼会」(兵庫県加西市上万願寺町)

20160112-202120.jpg
2016年初の祭り取材は、1月8日に兵庫県加西市上万願寺町で行われた「東光寺の田遊び・鬼会(おにえ)」となりました。室町時代末期にはすでに行われていたというから、400年以上もの長い歴史を持つとされる祈年行事です。

新年の天下泰平・五穀豊穣などを祈願する正月の法要「修正会」は日本各地で行われており、東光寺の鬼会のように赤鬼・青鬼が大活躍するものも決して珍しいものではありません。ただし、そのなかでも東光寺のものはいくつかの特徴があります。

まずは何と言ってもインパクト大なのがユーモラスな面で、現在継承されているものは170年前に作られたもの。かつてこの鬼の面を作った人物はそこにどのような思いとヴィジョンを込めたのでしょうか。鬼というと各地で得体のしれないものとして恐れと共に描かれてきましたが、東光寺の鬼面には愛嬌すらあり、あまり恐ろしさは感じられません。しかもこの鬼、本尊である薬師如来の化身だと言われており、そこに刻み込まれた多様なイメージに強い関心が沸き起こります。

また、東光寺の鬼会最大の特徴が、五穀豊穣を願う予祝儀礼である「田遊び」と共に行われるということ。当日司会を務めていた保存会の方は鬼会を農耕儀礼として解説していましたが、確かにここの鬼会は正月の法要であると同時に、かつての農耕社会の記憶をさまざまな形で留めた儀礼でもありました。

もうひとつ付け加えておくと、赤鬼が手にした松明や境内のそこかしこにセッティングされた篝火に照らし出され、火祭りとしての雰囲気を持つこの鬼会が、火の記憶と決して切り離すことができない東光寺という寺院で行われていることもまた、とても興味深いことではあります。もともと有明山万願寺と号していたこの寺院は、天文7年(1538年)、赤松氏の襲撃によって全焼。その後、東光寺という名で再建されたと言われています。そうした場所における「火」とはどのような意味とイメージを持つのか――。

近畿一帯に広がる仏教世界の古層に対してジワジワと関心が広がっていただけに、今回もまた、とても意義ある取材旅行となりました。記事掲載は月刊「DISCOVER JAPAN」の連載「あなたの知らないニッポンの祭り」にて。文・大石始、写真・ケイコ・K・オオイシのコンビでお送りいたします。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

大変遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

2016年はまず、ここ数年の祭り〜盆踊りフィールドワークの成果をまとめた著作がアルテスパブリッシングから刊行予定。文は大石始、写真はケイコ・K・オオイシです。2015年に刊行された「ニッポン大音頭時代」(河出書房新社)は昭和以降の盆踊りでかかってきた音頭歌謡の多様性にフォーカスをあてたものでしたが、今回の新刊は現在行われている祭や盆踊りを通し、深く日本の古層に潜り込んでいこうというもの。祭り体験の興奮と感動を余すことなくお届けすべく、鋭意進行中です。お楽しみに!

ちなみに、2016年の初詣は青梅市の武蔵御嶽神社に行ってきました。ドキュメンタリー映画にもなったオオカミの護符で知られる神社。山の空気に触れ、心も身体もリフレッシュすることができました。

そんなわけで、今年もB.O.N Productionをどうぞ宜しくお願いいたします!

20160112-191736.jpg

文化放送「MAU LISTEN TO THE EARTH」をお聞きくださったみなさま、ありがとうございました!

アジア各地の最新音楽事情をご紹介してきた文化放送「MAU LISTEN TO THE EARTH」は12月24日の放送で最終回を迎えました。昨年11月からの約1年間という短い期間ではありましたが、僕にとっても貴重な体験となりました。お聞きくださったみなさん、ゲスト出演してくださった皆さんに心から感謝。そして、支えてくれたMAUちゃんと番組スタッフの皆さんにも感謝しております。たどたどしい新米パーソナリティー&選曲家ではありましたが、皆さんのおかげでとても楽しくお仕事することができました。本当にありがとうございました!

写真はMAUちゃんや番組スタッフの皆さんと。この2015年はこの番組以外にもずいぶんたくさんのラジオ番組に呼んでいただきましたが、本当にありがたいことです。またいつかこんな番組をできたらいいなあ……!

20151228-191318.jpg

「現代の里国隆」、盛島貴男さんを訪ねて奄美大島へ

昨夜まで4日ほど奄美大島に行ってきました。奄美に行くのはショチョガマ〜平瀬マンカイ〜佐仁の八月踊りを取材するために訪れた昨年9月以来なので、約1年ぶりです。

僕がもともと奄美大島の芸能や唄、祭祀に関心を持つようになったのは、阿波おどりのルーツを辿るなかで熊本の「牛深ハイヤ節」と出会い、その取材で牛深を訪れて以降のことでした。
港町である牛深には奄美や沖縄との交流の痕跡が唄や文化の形で残っていて、島外でもっとも知られているだろう奄美の騒ぎ唄「六調」の歌詞にしても南九州から伝わってきた大和言葉が跡を残しているし、「牛深ハイヤ節」にしたってその「六調」の発展型。古代から続く南西諸島~南九州~アジア各国の交流の残り香みたいなものを牛深で感じ、「こりゃ奄美に行かなきゃ!」と慌ててヴァニラのフライトに飛び乗ったのが昨年のことでした。

今回は先頃東京公演を大成功させた奄美竪琴奏者、盛島貴男さんの工房(ご本人いわく「サティアン」笑)にお邪魔し、東京での取材では聞けなかったアレコレをじっくりと聞かせていただいたほか、南部の港町、古仁屋で富島甫さん(現在94歳)に八月踊りのことや戦前の古仁屋のことなどをたっぷりお聞きしてきました。富島さんは僕が以前から愛読してきた「奄美八月踊り唄の宇宙」(海風社)の著者のひとりであり、長年八月踊りの保存活動に従事してきたレジェンド中のレジェンド。戦中のこともはっきり覚えていらっしゃるその記憶力には感服いたしました。

20151109-192506.jpg20151109-192025.jpg
そうそう、今回は前回訪れることのできなかった南部の各集落まで足を伸ばし、元ちとせさんの故郷、嘉徳集落にも行ったんだけど、他の集落と隔絶したあんな場所だとは思いもしませんでした。ちとせさんとはデビュー時に一度取材したきり。ぜひもう一度お話聞いてみたいなあ。
また、今回は奄美島唄の伝説的存在、里国隆さんの生まれ故郷である笠利の崎原集落にもお邪魔してきました。放浪の旅を続けてきた里国隆さんが人生の最後に戻ってきたのは、やはり故郷の崎原集落。集落の外れにある国隆さんのお墓に手を合わせることもできました。
20151109-192606.jpg20151109-192200.jpg
内地から見ると奄美って沖縄と一緒くたにされちゃってるところもあるかもしれないけど、独特の文化と風土が息づく島であり、豊かで複雑な歴史が刻まれた島でもあります。僕も知れば知るほど奄美の魅力にズブズブとハマっていってる気がします。
今回もお世話になったみなさんに感謝。本当にありがとうございました!また近いうちに!

異形の来訪神が暴れまくる沖縄・宮古島の奇祭「パーントゥ」

昨夜まで沖縄・宮古島に行っておりました。
メインの目的は「宮古版なまはげ」とも言える奇祭パーントゥの取材。来訪神をモチーフとする祭祀は世界各地にあり、僕らも取材に行った鹿児島のヨッカブイなどもその一種。そうした日本の来訪神信仰の祭祀のなかでもパーントゥは異形さではトップクラスと言えるのではないでしょうか。


ンマリガーと呼ばれる集落の聖地(「ガー」は井戸の意味)の泥を全身に塗り付け、その泥を人々や住居に付けることで悪霊を祓うというのがパーントゥの趣旨。ただし、ここ数年、泥をつけられた観光客からクレームが出たり、ある年は怒った観光客からパーントゥが暴行を受けるなんていうありえない事件もあって、開催日時は発表されないことになっています。僕らは縁合って2日に渡ってパーントゥにお邪魔し、2日目には御嶽のもとの宴会にも参加。泡盛を回し飲む宮古名物オトーリも初体験しました。僕以外はみんな60代以上の先輩方ばかり。彼らから「大石、飲め!」と言われれば当然拒否権はないわけで、マジで地獄を見ました…(笑)。

20151014-142819.jpg
しかし、臭い臭いと言われていたンマリガーの泥、やっぱりトンでもなく臭かったですね。昔に比べたらだいぶマシになったそうですが、今もまだ泥がついてるような気さえします。ただ、あの泥の臭さこそ文献をいくら読んでも分からないもの。実際に泥を全身に塗りたくられてこそ初めて分かることであって、その臭さを実感したとき「宮古まで来てよかった!」と思えたのでした。
また、たまたま開催していた民謡大会「なりやまあやぐ大会」でずっと見たかった友利の獅子舞いを偶然にも拝見できたほか、いくつものディープな御嶽をお邪魔して感無量。宮古の信仰と文化については考えたこともたくさんあるのですが、キリがないのでまた改めて。

20151014-143022.jpg
なお、今回の旅では宮古島を拠点に活動するバンド、BLACK WAXのメンバーに合うことも重要な目的でした。彼らには東京で何度も取材させていただいてますし、ライヴも何度も拝見していますが、やはりいつか宮古で話をしてみたい、という強い思いがありました。彼らの音の根っこにあるものが何なのか、ぜひ触れてみたかったのです。5日間に渡りメンバーのみんなや関係者のみなさんに大変世話になり、何度も酒を酌み交わし(笑)、とても貴重な時間を共に過ごさせていただきましたが、そのなかで感動したのは、BLACK WAXの活動スタンス。ドラムのミキオさんのホームスタジオにもお邪魔したのですが、サトウキビ畑のなかに佇むそのスタジオの雰囲気はほとんどジャマイカ。あらゆる流行が凄まじいスピードで移り変わっていく都市の文化ももちろん刺激的ですが、週2回、彼らが練習を重ねるそのホームスタジオには東京とはまったく別の空気が流れていました。なるほど、こんなスタジオで練習してきたからこそ、最新作『VIGOR』みたいなトンでもない傑作をモノにすることができたわけです。

20151014-142921.jpg
お世話になったBLACK WAXファミリーのみなさまに心から感謝。そして、ここまで僕らを誘ってくださった久保田麻琴さんと「スケッチ・オブ・ミャーク」に感謝。とても満たされた思いで東京に帰ってきました。また遊びにいきます!

月刊「DISCOVER JAPAN」でB.O.Nの新連載がスタート!

枻出版社の月刊誌「DISCOVER JAPAN」で僕とケイコ・K・オオイシの新連載が始まりました!
タイトルは「あなたの知らないニッポンの祭り」。日本の祭りなのに、どこかエキゾチックで異国のものにしか思えないディープな祭りをご紹介。あなたの知らない「ニッポン」がここにあります。
なお、この連載もいずれ単行本化したいと考えてます。僕らとしては「日本版WILDER MANN」というイメージもちょっとあるかな。

一回目は9月5日発売の今月号から。初回は伊勢市円座町の「かんこ踊り」です!
詳細はこちらからどうぞ。
http://discoverjapan-web.com

20150909-190245.jpg