日本顔負けの熱気に溢れる「マレーシア・クアラルンプールの盆踊り」

昨夜までマレーシアのクアラルンプールに行ってきました。
現在関わっている某プロジェクトの視察と打ち合わせも兼ねたものだったのですが、祭りジャーナリストとしてのメインは、シャー・アラム駅近くの巨大スタジアムを舞台に行われる巨大盆踊り。クアラルンプール日本人会が主催となって70年代半ばから続けられているこの盆踊り、1日で実に3万人ものを人々が訪れるというビッグ・フェス。しかも参加者のほとんどがマレーシア人!

マレーシアでは他のアジア諸国同様、80年代より日本のアニメやマンガ、ドラマが受け入れられ、現在まで高い人気を誇っています。加えてマハティール(元)大統領が進めた東方政策により、日本との間で盛んな経済交流・文化交流が行われてきました。そのようにかねてから友好関係を結んできた両国だけに日本人会主催の盆踊りぐらい行われていても不思議ではないし、その手の国際交流イベントは日本でもよくあるものですが、会場に足を踏み入れてビックリ。予想を遥かに上回る規模と熱気!「誰かにやらされてる」国際交流イベントとは全然違う!

踊られる演目は「東京音頭」「大東京音頭」「花笠音頭」など。踊りの輪に入って撮影をしていたら、その熱気に圧倒されてしまいました。また、トゥドゥン(マレーのヒジャブ)に浴衣を合わせたお洒落レベルの高いコーディネイトのマレー・ギャルもたくさんいましたが、彼女たちの浴衣の着こなしも実にキマっていて、普段から日本文化に愛着と関心を持っていることが伝わってきました。「親日」とかのレヴェルじゃないんですよ、本当に。

とはいえ、僕が書きたいのは、昨今世に溢れている「日本の文化は海外でこんなに愛されているんだ!」という日本礼賛記事ではありません。
クアラルンプール盆踊りで一番感銘を受けたのは、盆踊りという「日本文化」の凄さというよりも、異国の文化に対するマレーシアの人々の懐の深さ。これまでのマレー半島の歴史とマレーシアという国家の成り立ちを考えてみると、その懐の深さは10年20年で育まれたものではないような気もします。
また、世界各地で見られる「一緒に踊る」というカルチャーの強みと魅力、奥深さも再認識させられました。こういうものをただの「モンドな盆踊り」として捉えるべきじゃないし、そんな単純なものではないと強く思います。

そんなわけで考えさせられることはあまりに多く、いまだ思考が整理できていない状態ではありますが、クアラルンプール盆踊りをきっかけに僕らの「日本文化」探求もどうやら次のステップへ進みつつあるようです。

なお、貼り付けた動画は僕がiPhoneで撮影したもの。もちろん、ちゃんとしたビデオで撮影したものもあります。盆踊り後半のより熱気を増した踊りの輪の映像は、今後トークイベントなどでご紹介していきます。また、レポートとケイコ・K・オオイシさんによる写真は「ソトコト」誌で掲載させていただく予定です。

まるでブラジルのカーニバル?鹿児島県日置市吹上町の「伊作太鼓踊り」

先週木曜日からは約4日ぶりに鹿児島へ。今回は日置市吹上町で伝えられている伊作太鼓踊りを取材してきました。薩摩半島ではとてもユニークな太鼓踊りが各地で継承されているのですが、装束の奇抜さではこの伊作太鼓踊りがダントツ。そのため以前から一度ナマで体験せねばと考えていたのですが、このたびようやく初体験することができました。

20150901-142250.jpgPhoto by KEIKO K. OISHI

8月28日(金)の朝イチで奉納が行われるのは、集落の奥まった地に鎮座する南方神社の境内。鬱蒼と茂った木々に囲まれながら奉納される太鼓踊りは想像以上の大迫力です。相撲の行事が持つ軍配を模した矢旗がひときわ目を引きますが、背中には薩摩鶏の羽で作ったホロが飾り付けられていて、その姿はまるでグラムロッカーのよう。その中心で鉦を叩くのは、花籠を被った中打ちたち。女性に扮した少年~青年たちのそのステップは確かに念仏踊り的で、祖霊供養を目的とする念仏踊りとかねてからの虫送りの風習などが複雑に入り混じった薩摩の太鼓踊りの魅力を再認識しました。
そして何よりも強い印象を残したのが、強烈なグルーヴとダイナミックなステップ!ほとんどブラジルのカーニバルのようで、観ているだけで胸の奧から熱いものがこみ上げてくるのが分かります。この感覚、阿波踊りを初めてナマで体験し、大感動した瞬間に覚えたものとも似ているかも。自分が住む列島にこれほどまでにカラフルで鮮やかな芸能が息づいているなんて、ホント衝撃です。久々のカルチャーショック!
そんなわけで、あまりに素晴らしい伊作太鼓踊りを体験したことによって、自分のなかの「日本像」はまたもや大きく揺らいでしまいました。そして、僕らは生活のなかで固定化されがちなこの列島に対するイメージを自分たち自身で揺さぶるため、こうして各地の祭りを渡り歩いているのかもしれません。

伊作太鼓踊りの取材後は、阿久根市のとある漁村に住む友人夫婦、ハマちゃんとショウコちゃんのお宅でお世話になりました。彼らが住むのはカマドのある素敵な古民家。虫の鳴き声しかしない静かな夜、久々にぐっすりと眠ることができました。阿久根の海の幸もたっぷりいただき、大感謝。2人の優しさが身に沁みました。ハマちゃん、ショウコちゃん、お世話になりました!(大石始)

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東京最高のブロックパーティー「錦糸町河内音頭大盆踊り」

8月26日と27日の2日間、今年も東京の夏の風物詩「錦糸町河内音頭大盆踊り」が開催されました。今年は初日だけの参加となりましたが、僕ももちろん錦糸町へ!

20150901-135119.jpgPhoto by HAJIME OISHI

会場内のレイアウトを変更し、ダンスフロアを拡大したことによって舞台上の音頭取りのみなさまとダンサーのみなさまの距離がグッと近くなり、例年以上に会場内のグルーヴも上昇。2011年以来の司家征嗣さんのステージがまた涙モノの素晴らしさで、しみじみと河内音頭の魅力を噛み締めた夜でした。主催者・関係者のみなさま、今年もおつかれさまでした!

なお、錦糸町河内音頭大盆踊りに関しては、2012年春に刊行された「アルテスVol.2 2012 SPRING」(アルテス・パブリッシング)に掲載された僕の連載「まつりの島」でたっぷり触れています。タイトルは「下町に鳴り続ける不死のリズム──錦糸町河内音頭大盆踊り」。ご興味ある方はぜひ読んでみてください!(大石始)

「アルテスVol.2 2012 SPRING」の詳細はこちら。
http://magazine.artespublishing.com/backnumber/『アルテス-vol-02%E3%80%802012-spring』br特集%E3%80%88アップルと音楽〉

鹿児島県南さつま市金峰町に伝わる異形の仮面の祭り「ヨッカブイ」

昨日までは約2週間ぶりに鹿児島へ。この夏は鹿児島を中心に祭り巡りをしているのですが、今回は南さつま市金峰町高橋の奇祭「ヨッカブイ」を取材してきました。

20150824-151449.jpgPhoto by KEIKO K. OISHI

シュロの樹皮でできた異形の仮面を被った大ガラッパ(河童)で知られるこの伝統行事、もともとは水難除けや集落の安全を願うもので、水神(ヒッチドン)を奉る祭りでもあります。大ガラッパが抱えるカマスという麻袋に入れられた子供たちは1年間水難事故に合わないとされるのですが、なにせ顔の見えないシュロの仮面はかなり不気味。まるで諸星大二郎さんの作品に出てきそうな感じです。そのため捕まえられてカマスに入れられた子供たちは全員大号泣、集落の方々によると「一週間は静かにしてる」とのこと(笑)。
また、集落の玉手神社ではマワシをつけた子供たち(小ガラッパ)によるガラッパ相撲が行われ、その後大ガラッパによる相撲甚句が歌い踊られます。この甚句がかなり不思議な響きを持つものだったのですが、テープ音源だったのがちょっと残念でした。

なお、玉手神社の境内には高橋貝塚という貝塚があり、周辺の集落では弥生時代から稲作が行われていたといいます。また、かつて高橋集落周辺は海だったそうで、水に対する潜在的な恐れがヒッチドンという水神信仰に繋がっているのかもしれません。高橋集落は修験道の霊山「金峯山」にも近く、歴史的にもとても興味深い場所。大ガラッパの不気味さに引き寄せられて金峰まで足を運んだ僕らでしたが、その背景に広がる南九州文化の奥深さにあらためて魅了されてしまいました。やはり南九州はおもしろい!(大石始)

7月28日、久々の単著が出ます!

7月28日、久々の単著が河出書房新社から出ます。タイトルは『ニッポン大音頭時代 「東京音頭」から始まる流行音楽のかたち』。昭和8年の「東京音頭」以降の流行歌の歴史において、音頭はどのように扱われてきたのか。ノヴェルティー音頭やアニソン音頭、アイドル音頭を生み出してきた音頭のメカニズムを探ります。
ここ数年、日本の大衆文化〜伝統文化を意識的に掘り起こしてきましたが、本書はその第一弾。続いて来年初頭には近年の祭り取材の成果をまとめた著作がアルテス・パブリッシングから刊行される予定です。

なお、素晴らしい装丁は矢萩多聞さんによるもの、写真はケイコ・K・オオイシが数年前に藤沢の「遊行の盆」で撮影してきたものです。 矢萩さんは島田潤一郎さんの『あしたから出版社』(晶文社)の装丁などですごく気になっていたので、今回一緒に仕事をさせていただき本当に光栄です。早く現物を手にとりたい!

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[書籍情報]

タイトル:『ニッポン大音頭時代 「東京音頭」から始まる流行音楽のかたち』

著者:大石始

版元:河出書房新社

発売日:2015年7月28日(火)
予定
定価:予価2,300円

判型:46変形並製

ページ数:288ページ

ISBN:978-4-309-27613-7

[内容紹介]
これまで〈語るべきもの〉として見做されず、チープで芸術性の低いものとして考えられてきた日本の伝統音楽・音頭。しかし、その歴史を紐解くと、〈ドドンガドン〉のリズムには流行音楽としての恐るべき秘密が潜んでいた――昭和8年、新作音頭の金字塔「東京音頭」の成立から、社会のかたちやメディアの進化に応じて大衆を鼓舞し、笑わせ、郷愁を誘ってきた音頭。その変幻自在の姿を通じて日本人の〈こころ〉に迫る。

「ニッポン大音頭時代」目次
第一章 音頭はどこからやってきた?
音頭のルーツはどこにある?/「東京音頭」の大ヒットを用意したもの/〈ドドンガドン〉を生み出したのは江戸時代の芸妓たちだった?

第二章 音頭のスタイルを確立した「東京音頭」
ご当地ソングの元祖、地方小唄に「東京音頭」の源流を見る/丸の内の旦那衆が発案した「丸の内音頭」/故郷なき都会人のための〈郷土の歌〉ができあがるまで

第三章 炭坑労働者たちが愛した「炭坑節」
「炭坑節」を育んだ筑豊の炭坑(ヤマ)は歌と芸能の宝庫だった/「炭坑節」誕生秘話/各地のヤマから生まれた、さまざまな「炭坑節」

第四章 国民音楽として収奪された音頭
思想善導のツールとして利用された、戦時歌謡としての音頭/ 「東京五輪音頭」と三波春夫によって強調された音頭の〈民族色〉/「東京五輪音頭」以降にリリー スされた〈国民音頭〉の数々

第五章 冗談音楽として新展開をむかえる音頭
冗談音楽の系譜――スパイク・ジョーンズからフランキー堺とシティ・スリッカーズへ/クレージーキャッツと大瀧詠一が切り拓いた新作音頭の新たな境地/音頭の〈ネタ化〉を強力に押し 進めたザ・ドリフターズ/わるふざけ、無礼講としての音頭――先祖帰りしたコミック音頭

第六章 変わりゆく地域共同体とアニソン音頭
地域共同体の再編とアニソン音頭/「オバQ音頭」とテレビ・アニメ黎明期のメディア・ミックス/アニソン音頭からご当地音頭までを横断するシンガー・ソングライター、山本正之/全国津々浦々に新作音頭を広めたレコード会社各社の施策

第七章 アイドル音頭によって多様化する音頭
企画モノ/ノヴェルティー・ソングとして制作された数々のアイドル音頭/つんく♂が切り拓いたアイドル音頭の新たな可能性/ご当地音頭をアップデートする各地のご当地アイドル

第八章 音頭は海を越え、世界を踊らせる
海の向こうで生まれ、育まれてきたさまざまな音頭/パラグアイの「ピラポ音頭」とインドネシアの「ジャカルタ音頭」/ジャマイカの若者たちを踊らせた河内音頭のファンクネス――永田充康に聞く

第九章 未来の音頭のかたち
音頭の音楽的魅力をDJプレイで表現するDJフクタケ/恐るべき知識量を誇る高校生盆踊り曲マニア から見た音頭の魅力/大友良英が描き出す音頭と盆踊りの未来像

7月12日、「墨田祭りセッション」開催!

ものすごいイベントを企画しました。はっきりいって、画期的な1日になるはずです。「橋の下世界音楽祭」に負けてらんねえぞ、という気迫で企画した渾身のイベントです!

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月刊「ラティーナ」&大石始プレゼンツ「墨田祭りセッション」
〜東京天水連 vs mocidade samba system vsタブラクワイエサ

7月12日(日)浅草 アサヒ・アートスクエア
16時〜20時
入場料 予約:2800円 当日:3300円

出演:
東京天水連(東京高円寺阿波おどり)
mocidade samba system
タブラクワイエサ

司会:山口屋左七 (錦糸町河内音頭大盆踊り司会)

祭り映像ワークショップ:
大石始(ライター/エディター)
花田勝暁(「ラティーナ」編集長)

祭りDJ:大石始

世界の音楽情報誌「ラティーナ」とライターの大石始が浅草アサヒ・アートスクエアで架空の祭りをでっち上げる! 各国の打楽器アンサ ンブルが対決。アサヒ・アートスクエアが灼熱の祭り空間に早変わりします。また、大石始が日本各地で撮影してきた祭り映像上映もあり。 ワールドミュージックとしての祭り文化の楽しみ方をレクチャーいたします。

■予約方法■
下記の予約フォームにアクセスし、氏名、人数、メールアドレス、電話番 号をご登録下さい。イベント当日、予約価格でご案内します。
http://goo.gl/forms/CL8YD05a8i

[プロフィール]
●東京天水連(東京高円寺阿波おどり連協会所属)
「天水」とは「天から降る水と踊りさえあれば あとはもう何もいらない」というほど阿波踊り が好きな人のこと。東京天水連は、高円寺で自 分たちの理想の阿波踊りを踊りたいと昭和60年に結成された。結成以来、阿波踊りの基本と 伝統を守りつつ、「自分達の理想の阿波踊り」を求めつづけている。

●mocidade samba system
バテリア(打楽器 ) そしてサンバの可能性を探る ために結成された G.R.B.P. mocidade vagabunda の 可変型少人数バテリア・ユニット mocidade samba system (m.s.s.)。クラブシーンでのDJとのコラボレーションや、様々なジャンルのミュージシャンのバック・サポート、大人数打楽器隊のみでのバツカーダなど、シチュエーションに合わせて編成やメンバーを変幻自在に組み替えて活動する打楽器ユニット。

●タブラクワイエサ
日本初のエジプト太鼓のアンサンブルバンド。 2000 年エジプト カイロにて結成。メンバー各々エ ジプトに太鼓留学経験有りの本格派。電源不要の移 動演奏を得意とし、叩く、踊る、笑う、たまに歌う。 エジプト大使館、大学、企業などの記念式典から新宿2丁目系、お洒落クラブ系、民族音楽系、ROCK 系のイベントまで幅広く出演。海外、国内の有名ミュージシャン、ベリーダンサーとも共演多数。

●山口屋左七(司会)
土手芸人・司会者、ライターを自称していたこともあるが閉店休業中。2002年より、錦糸町河内音頭大盆踊りの運営にかかわり、2007 年から司会を務める。司会はあくまで添え物、福神漬けはカレーライスを凌駕しない、というスタンスでマイクを握っている。 でも注目されたらされたで嬉しいかも。錦糸町の踊りの輪は天然ラウンドモッシュではな いかと思っている。他に、東京の女流義太夫の楽屋裏の隙間産業なども担当。

会場:
浅草 アサヒ・アートスクエア
東京都墨田区吾妻橋1-23-1スーパードライホール4階
http://asahiartsquare.org/ja/about/

主催:(株)ラティーナ/大石始
問い合わせTEL:03-5768-5588(ラティーナ)

2015年上半期の韓国関連プロジェクト

ここ数年韓国と縁があり、いろいろなお仕事をさせていただいています。

15327125_L1昨年5月、韓国在住のギタリスト、長谷川陽平さんの半世紀「大韓ロック探訪記」(DU BOOKS)の企画・編集をさせていただきましたが(デザインと写真はケイコ・K・オオイシ)、今年頭には韓国語版が出版されました。先月ソウルに遊びに行った際、ホンデの書店にこの本が並んでいる光景を見た際は本当に感無量でした。

日本版「大韓ロック探訪記」の詳細はこちら
http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK060

こちらは韓国語版「大韓ロック探訪記」の商品ページ
http://www.yes24.com/24/goods/15617841

20035536また、この5月、ソウルのイテォンにオープンした「Hyundai Card’s “Music Library”」のワールドミュージック部門のキュレーターをやりました。
このライブラリーは1950年代以降のポピュラーミュージックの歴史のなかでリリースされてきたヴァイナルをアーカイヴしたもので、僕以外にはDJ SOULSCAPEもソウル/R&B/ヒップホップ部門を担当しています。近年の韓国ではLPブームが起こっているため、こうしたプロジェクトも可能なんですね。
先日イテウォンにあるライブラリーにもお邪魔しましたが、あまりに巨大でびっくりしました。なかはライヴハウスやスタジオも完備していて、そちらもかなり豪華。ライブラリー自体にはHYUNDAI CARDの会員しか入れないそうですが、ライヴは非会員でも入れる公演もあるようです。なお、オープニングイベントに出演したのはなんとシン・ジュンヒュン・グループとキム・チャンワン・バンド。大韓ロック最強&最狂の組み合わせに思わずヨダレが…。

今回のキュレーションに関してご協力いただいたみなさまに心から感謝してます。また、繋いでくれたDJ SOULSCAPEにも感謝。本当にありがとうございました!
こちらは「Hyundai Card’s “Music Library”」のオープンを伝える現地の記事(英文)。
http://koreajoongangdaily.joins.com/news/article/article.aspx?aid=3004387

文化放送「MAU LISTEN TO THE EARTH」レギュラー出演中!

「東南アジアのポップ・カルチャー」をテーマとして昨年からお送りしてきた文化放送「MAU LISTEN TO THE EARTH」が10分枠から30分枠へ拡大することになりました!

今まではレギュラー・コメンテーター的な出演だった僕もメイン・パーソナリティーに昇格(笑)。メインのMAUちゃんと2人でお届けしていきます。毎回他の番組ではまずかからないだろう東南アジアの最新曲、アジア各地の特派員の方々からの現地レポート、そしてゲストコーナーで構成される濃厚30分。今後は海外アーティストを招聘したライヴ・イヴェントなども企画していけたら、と思ってます。

放送は毎週水曜の21時半から22時まで30分間、初回は4月1日(水曜)です。ゲストは滞空時間の主宰・川村亘平斎さん、特派員レポートはマレーシアはクアラルンプール滞在中の上原亜季さん(ムティアラ・アーツ・プロダクション)にお話を伺います。Radikoにアクセスしていただければ日本全国から聴取可能!

写真はパーソナリティーのMAUちゃん、そして川村亘平くんと(MAUちゃん、勝手に写真借りました!)。
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また、番組のオープニングテーマはマレーシアの鬼才、ダレン・アシュレイの「Shakuhachi」。彼は現在マレーシア在住のCEE(AL HACA)とのベースミュージック系ユニット、Bass Sekolahでも活動している大注目アーティストです。

また、エンディングテーマはフィリピンのカリスマ的ラッパー、故フランシス・マガロナの名曲をカヴァーしたDJマイクの「Kaleidoscope World」。この歌、歌詞が素晴らしいんですよね。この番組のエンディングにはピッタリなのではないかと思い、選曲しました。

TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」に出演!

8月23日、TBSラジオの人気番組「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」に久々に出演させていただきました。この番組に出させていただくのはこれで3回目かな?
今回はしかも音頭特集!7インチ・コレクターでもあるDJフクタケさんとBACK2BACK形式(1曲ずつ交互にかけていくDJスタイル)で音頭をかけていくという、始まる前から楽しそう!とこちらも盛り上がってしまうような企画です。

(写真は番組ホームページより)
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詳細は下にURLを貼った放送後記にて、という感じなんですが、アルコールと法被の効果もあってメチャクチャ楽しかった!リスナーのみなさんからの反響も上々だったようで(ありがとうございます!)、これまでにない充実感を感じた1時間でした。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2014/08/3852014823.html

また、番組中で僕らが紹介した楽曲はこちら。

*大石 小唄勝太郎 / 東京音頭
*フクタケ ビクター少年民謡会 / ゴジラ音頭
*大石 三波春夫 / 東京五輪音頭
*フクタケ 三波春夫 / ルパン音頭
*大石 JAMES BONG / 商売繁盛で笹持ってレゲエ
*フクタケ 演奏:キャプテン・フィンガー、うた:椿秀春 / ディスコ河内音頭
*大石 吉幾三 / 立佞武多
*フクタケ フラワー・トラベリン・バンド / SATORI PART2
*大石 滞空時間 / 秋田音頭
*フクタケ リトル・ジョーダン&ジ・オベイコンズ / 秋田音頭
*大石 NAGUMO / Notteru Ondo
*フクタケ 角松敏生 / Heart Dancing(あいらびゅ音頭)

で、こちらは今回ご一緒させていただいたフクタケさんの音頭ミックス!これで一発録りのライヴ・ミックスというんだから凄いです。フクタケさんとは今後なにかとご一緒する機会も増えていきそうだし、ますます楽しくなってきました!

沖縄中部〜福岡・築豊の旅

B.O.Nの2人は初夏から日本全国を飛び回る日々が続いています。目的はもちろん各地の盆踊り〜祭り取材。今年は「南へ」をテーマに掲げ、各地をバタバタと動き回っています。

ワタクシ大石始がまず向かったのは沖縄県中部。沖縄では旧暦の7月13日から15日までがお盆にあたるのですが、今年は8月8日から10日がお盆にあたります。1日目の8日はウンケー(お迎え)、9日はナカビ、そして最終日10日はウークイ(見送り)となり、連日さまざまな行事が行われます。
今回の取材の目的はエイサー。それもガーエー(もしくはオーラセー)と呼ばれる喧嘩エイサーを体験すべく、コザ(沖縄市)を中心に中部を移動し続けました。結果から申し上げると、オーラセーは「喧嘩の入り口」を体験したのみに終わりました。
ただし、仏壇のあるお宅を少人数編成で一軒一軒回る浜比嘉島の素朴で心温まるエイサーや、女性のみで歌い踊られる屋慶名のウシデークなど、予想もしていなかったものを観ることができたので大満足!仏教伝来以前の伝統と地続きになっているウシデークを見ながら、古来からの祖霊信仰と仏教が複雑に混ざり合った沖縄の魅力を再認識しました。また、内地(ヤマト)との繋がりのなかで沖縄の芸能を見ていくことで、日本列島のもうひとつの姿が浮き上がってくるような気がしました。こちらは原稿にまとめる段階であらためて向き合わないといけないテーマでしょう。

(こちらの写真はiPhoneで撮影したものです)
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また、今回は沖縄のアンダーグラウンド・シーンのおもしろさにも触れることもできました。エイサーを追いかけて夜な夜な取材に同行してくれたマコトくんはHARIKUYAMAKUという名義でも活動していて、彼は素晴らしいオキナワン・ダブ作品を制作しているプロデューサーであるほか、コザの商店街「銀天街」を拠点とするダブ・バンド、銀天団のダブワイザーでもあります。11日には那覇の美栄橋のDJバー「On」でDJもやらせていただいたのですが、そちらも素晴らしい場所でしたし、沖縄はまた近々再訪しないといけなさそうです。

12日からは福岡へ(ここでケイコ・K・オオイシが合流)。今年の3月まで福岡のラジオ局「LOVE FM」で自分の番組「ASIAN MUSIC JOURNAL」をやっていたこともあり、福岡は何かと縁のある場所なんですが、今年は福岡の筑豊へお邪魔しました。こちらの目的は田川市各地で行われる盆踊り。なかでも香春(かわら)町に焦点を絞り、現地の関係者のみなさまにお話を伺ってきました。
15日に香春町運動公園で行われる大きな盆踊りは多少県外でも知られているものの、僕らの目的はそちらではなく、13日と14日の2日間、初盆のお宅を一軒一軒回る供養の盆踊り。こちらについてはネットや資料を調べてもほとんどといっていいほど情報がなかったのですが、田川が地元の友人とそのご家族・ご親戚・お知り合いの強力バックアップにより、とても興味深い取材となりました。

田川の盆踊りのおもしろいところは、初盆のお宅を一軒一軒回る供養の盆踊りでありながら、太鼓(大太鼓+締め太鼓)のリズムに合わせ、音頭取り的な役割を果たす「口説き」が河内音頭にも似た「口説き」を聞かせてくれるところ。そして、その太鼓と口説きに乗り、盆踊り団体のメンバー(といっても10人程度の少人数)がステップを踏んでいきます。初盆のお宅を回る供養の儀式というと、福島はいわき市のじゃんがら念仏踊りが思い出されますが、それよりもよりアットホーム。宴もたけなわとなると、喪服を着ていたご遺族もジャケットを脱ぎ捨てて踊りの輪へ。僕ら取材班も踊りの輪に巻き込まれ、なんとも楽しい供養の盆踊りとなりました。
筑豊のパブリックイメージというと、荒廃した元・炭坑の街、暴走族、生活保護……というネガティヴなものかもしれませんが、知られざる田川の盆踊りから見えてきたのは、田川のみなさんの活き活きとした歌やリズムであり、活き活きとした生活そのものでした。田川、本当にいいところでしたよ。

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そんなわけで、沖縄〜福岡ともにたくさんの皆さんに助けていただきました。本当にありがとうございました!
なお、こちらのレポートは「アルテス電子版」の連載「まつりの島」にて掲載予定。最新号では「天草の『風待ちの港』で阿波おどりのルーツと出会う─ 徳島阿波おどり〜熊本・牛深ハイヤ節(後編)」と題し、阿波おどりのルーツを求めて熊本県牛深へ。SOUL FLOWER UNIONのあの名曲のモチーフにもなった「牛深ハイヤ節」に隠された、とあるラヴストーリーを紐解いています。前編/後編あわせ、あまり前例のない阿波おどり論になってるんじゃないかと思います。ぜひ読んでみてください!

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