<ぞめきシリーズ>最新作がリリース!

僕が日本の祭りや民謡に関心を持つきっかけのひとつになったのが、久保田麻琴さんプロデュースによるコンピレーション・アルバム『ぞめき壱 高円寺阿波おどり』でした。このアルバムに衝撃を受けた僕は、その直後に久保田さんにお会いし、背中を押されるように高円寺阿波おどりへ。そこで後頭部をガツン!と叩かれるような衝撃を受け、それから日本の祭りや民謡を巡る旅に出かけるようになったのでした。

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そんな<ぞめきシリーズ>の最新作が7月27日に出ます。タイトルは『ぞめき伍 徳島 高円寺 阿波おどり個性派』。徳島と高円寺の連が並び立つと同時に、徳島西部の山間地域、祖谷に伝わる伝承歌も収録。阿波国の音楽文化の豊かさに心揺さぶられる内容となってます。
今回はなんとそんな『ぞめき伍』のライナーノーツを執筆させていただきました。僕にとっては<恩人>のようなシリーズに寄稿できるなんて……久保田さんにささやかな恩返しをできたかどうかは分かりませんが、ここ数年考えてきたことを凝縮したつもりではいます。インナーの写真/デザインも本当にイカしてるので、ぜひチェックしてみてください。そして、<日本最強の土着グルーヴ>にこの夏もノックアウトされてください!
詳細はこちらまで→http://www.ahora-tyo.com/detail/item.php?iid=13967

こちらは『ぞめき伍』のサンプル音源。いやー、格好いい!!

ラッパー、RUMIのバックボーンを掘り下げたロング・インタヴューが公開

ラッパー、RUMIさんが新プロジェクト「甘い魔者」をスタート。その世界観を探るべく、彼女のバックボーンをワタクシが深く掘り下げたロング・インタヴューが公開されました。「せっかくなので他のライターが聞かないようなところを聞きまくろう!」ということで、中島みゆきや灰野敬二、CORRUPTED、島倉千代子という名前が次々に飛び出し、スナックやお座敷小唄の話で盛り上がる、ちょっとおもしろいインタヴューになりました。

今回はRUMIさんご本人からのご指名。僕が上海のドランク・モンク&チャチャ、マニラのレッド・アイ&ソウルフラワーに取材しているのを見て、「いつかこの人に取材してもらいたい」と思ってくれていたとのこと。いやー、本当に嬉しいです!

というわけで、ラッパー・RUMIの意外なルーツを探るインタヴュー前半はこちらからどうぞ。
http://creative-platform.org/?p=562

また、こちらは「甘い魔者」のトレイラー。プロジェクトの概要はCreative-Platformのサイトでどうぞ。

ジャマイカのナイヤビンギに日本の土突き唄との共通性を見い出す?

数年前に日本の民謡を意識的に聞き出したとき、僕には古い漁師唄や作業唄がジャマイカのナイヤビンギのように聴こえたものでした。北海道の鰊場作業唄なんて、ジャマイカのラスタ・コミュニティーで見聞きしたものとほとんど同じものにも思えたぐらいで。

もちろん、民謡のことを知るうちに両者をそう簡単に結びつけられるもんじゃないことも分かってくるわけですが、今日、仕事の資料として久々に自宅のナイヤビンギ・アルバム数枚を聴くなかで脳裏に浮かび上がってきたのは、やっぱり「エンヤートット!」といった斎太郎節のフレーズでした。僕が聴いていたのはラス・マイケル&ザ・サンズ・オブ・ニガスやカウント・オジー&ザ・ミスティック・リベレーション・オブ・ラスタファリなんかのアルバムだったんですが、曲によっては土突き唄や餅つき唄を思い出すものもあった!

そういえば、以前PAPA U-GEEさんのアコースティック・ライヴを拝見したとき、U-GEEさんはビンギドラムをバチ(マレット?)で叩くだけじゃなく、バチで「突いて」いて、そのアクセントがナイヤビンギのリズムを作り出していることを知りました。土突き唄とナイヤビンギに土を/ドラムを「突く」唄という共通性があるんだとすれば、リズムが近いものになっていくのも納得がいく話。民謡研究家の竹内勉さんは作業の動作内容によって作業唄のリズムやテンポが異なってくることを著作で指摘していましたが、その指摘をもとにナイヤビンギと民謡の共通性を紐解いていくこともできるんじゃ……なんてことをふと考えました。こうやって、以前聞き親しんだ音楽から新しい側面が浮かび上がってくるのが何よりも楽しいのです。