4年ぶりに青森ねぶたと五所川原立佞武多に行ってきました

この週末はふたたび青森へ。4年ぶりに青森市のねぶたと五所川原の立佞武多を取材してきました。

前回の取材の際はまだまだ音楽的関心から祭り・盆踊りにアプローチしていた時期だったため、ねぶた囃子のリズムやそれが祭りに与える影響を中心に取材したのですが、それから4年経ち、自分のなかの「祭り観」にも多少の変化がありました。今回ふたたびねぶたに触れることで、どのような思いが湧き上がってくるのか自分でも楽しみにしていました。

青森市のねぶたの魅力は、なんといってもねぶたそのものの芸術性。それぞれのテーマに基づき、専門のねぶた師とスタッフが丹精を込めて作りあげたねぶたには、観ている我々に突然襲いかかってきそうなほどの迫力があります。優れた大型ねぶたはひとつひとつのパーツに躍動感や生命力を宿らせているのですね。先々月取材させていただいた竹浪比呂央さん作成のものはまさにその最高峰! 本当に感動しました。​


一方、五所川原立佞武多の魅力は圧倒的なスケール感。23メートルもの大型ねぷたは改めて見ても呆気に取られるほどの高さです。また、五所川原は祭りそのものにまだまだカオティックな祝祭感が内包されているのがいいですね。青森市に比べてヤンキー濃度も高く、気合いの入った兄さん姐さんの佇まいに惚れ惚れとする瞬間も。地元の人たちが思いっきり楽しんでるのも最高。五所川原は津軽半島の入り口にあたる町でもあり、いつの日か五所川原を起点にしながら津軽半島をゆっくり旅してみたくなりました。

ねぶたはもともと「眠り流し」のような素朴な民俗行事がルーツにあるわけですが、なぜそこに太鼓のリズムと激しい踊りが加えられるようになったのでしょうか。民俗学的な裏付けではなく、当時の津軽人の心境に思いを馳せながら再度ねぶたの進化のプロセスを考えてみたくなりました。なんとなくですが、そこには「なぜ日本人は踊るのか?」という命題を解くヒントが隠されているような気がしているのです。(大石始)