岐阜・郡上八幡から静岡、奥多摩への旅

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先週末は岐阜および東海地区のみなさまが新しく始めた「八祭~十七夜おどり&祭と宴」にトーク&映像上映で出演するため、郡上八幡へ。ここ数年、橋の下世界音楽祭(愛知県豊田市)に刺激を受ける形で、各地で新たな祭が立ち上がっていますが、この「八祭」もそうした祭のひとつと言えるのではないでしょうか。今回声をかけてくれた山岸くんとも橋の下で初めて会ったし、今回の祭りにも橋の下の代表でもある永山愛樹くんのALKDOや橋の下に出演経験もあるアラゲホンジが出演。橋の下をきっかけとする祭ネットワークが年を重ねるごとに広がっていることを実感します。

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会場となるのは、郡上一帯における真宗大谷派の中心的な寺院でもある安養寺。歴史あるお堂のなかで、約1時間に渡って祭映像を上映。さらに後半1時間では、大乗寺住職であり郷土史家でもある高橋教雄さん、昨年郡上を訪れた際にもお世話になった郡上八幡音楽祭の実行委員会代表、井上博斗さんを迎えた郡上おどりトークを行いました。後半ではほぼ司会に徹しましたが、お2人のお話がとにかく素晴らしかった。郡上おどりの背景に広がる広大な信仰世界についてのお話には僕も大興奮。さまざまな歴史と文化が網の目のように張り巡らされた郡上宇宙を紐解く、大変興味深い内容でした。東京の「踊り助平」の方々にもぜひ聞いてほしかったな。

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ALKDOとアラゲホンジのライヴ後は、おどり屋形を中心とする郡上おどりタイム。徹夜踊り明けとは思えぬ熱気で、みんな本当に踊りが大好きなんだなあ、と実感しました。なお、祭終了後から雨が降り出し、夜遅くからは豪雨に。翌日岐阜県では大雨洪水警報が発令され、僕らも車での帰路えらい目に遭いました。

とはいえ、「八祭」、関わる人すべての思いが詰まった素晴らしい祭りでした。また、徹夜おどり明けのあんな祭りを受け入れてくれる郡上の懐の深さにも感激。もちろん開催するうえではさまざまな苦労があるとは思いますが、今後もぜひ続けてほしい祭りです。呼んでくれたこうちゃん、本当にありがとう!

帰路は下道でゆっくりと。思いつきで島田の温泉に寄ったり、藤枝で一泊したり、憧れの山宮浅間神社(静岡県富士宮市)に寄ったりしましたが、こうした旅の仕方も下道ゆえにできること。陸路で国から国へと移動し続けたかつての旅を思い出しました。新幹線や高速でサクッと移動するのもいいけど、僕らはやっぱり思いのままに移動するこういう旅のほうが性に合うようです。

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また、今回は以前大変お世話になった「RIDDIM」元編集長の大場さんが静岡・磐田で営むパン屋さん「one too many morning」にもようやくお邪魔することができました。大場さんご夫妻のセンスと愛情がたっぷり詰まったステキなお店で、いうまでもなくパンも絶品。近くにこんなお店があったら毎日通っちゃうだろうなあ。

なお、藤枝で一泊した後は新刊取材のため奥多摩の某地へ。ただし、途中でまたもや豪雨に。途中で何度も土砂崩れの場面を目撃していたため、早々に奥多摩を後にすることになりました。山中の雷雨ははじめて体験しましたが、山全体が怒り狂っているような人智を越えた恐ろしさを感じました。こうした恐怖を乗り越えるために信仰が育まれ、共同体の結束が強固になっていたのでしょう。そういう実感を得られただけでも、奥多摩へ足を運んだ甲斐がありました。

そんなわけで、車中泊を含めて二泊三日のロング・ドライヴでした。ヘトヘトになったけど、またやりたいです。各地でお世話になったみなさま、本当にありがとうございました!(大石始)