「Numero TOKYO」の特集「いまニッポンの祭りがアツイ!」に寄稿

image雑誌「Numero TOKYO」(扶桑社)の特集「いまニッポンの祭りがアツイ!」にて、お薦めのお祭りに関する原稿を寄稿しました。僕以外の寄稿者は、みうらじゅんさんや日本の祭り応援マガジン「MATSURIsta!」編集長の西嶋一泰さんなど。ケイコ・K・オオイシの写真も掲載していただいています。ファッション誌ならではのユニークな視点からの祭り再発見特集。なかなか面白い内容ですので、ぜひチェックしてみてください。

「Numero TOKYO」の詳細はこちらでどうぞ。
http://numero.jp/

風待ちの港で育まれてきた唄、「牛深ハイヤ節」を求めて──熊本県天草市牛深

この週末は熊本最南端、牛深に行ってきました。目的は日本民謡の源流のひとつ、「牛深ハイヤ節」が生まれた土地の匂いを嗅ぐため。
Sunset写真牛深は天草市中心部から車で1時間ほどのところにあり、海を挟んですぐに鹿児島。そうした土地柄から古くから鹿児島や長崎の漁師や船乗りがやってきては、次の航海に向けた風待ちをする場所でもありました。そのため、牛深には各地の文化が持ち込まれ、そのうちのひとつであった奄美の「六調」は「牛深ハイヤ節」のルーツのひとつにもなったと言われています。そういえば、明治以前の徳島阿波おどりは「ハイヤ節」で踊られていたというハナシもありますね。奄美〜牛深〜徳島。そう簡単に1本の線を引けるわけではありませんが、確かにその3つの土地の唄には共通する匂いを感じ取ることができるかも。

また、牛深には遊郭があったほか、かつては新銀取りという女性も多かったと言います。「新銀取り」とは大阪などで稼いできた船乗りたちを「現地妻」として迎えた牛深の女性たちのこと。船乗りと港の女たちの間に生まれた愛は確かにひとときのものだったかもしれませんが、彼らの間で歌われていた唄は「牛深ハイヤ節」として現在まで歌い継がれることになりました。
写真そのように、さまざまな物語が横たわる牛深。今回は一泊二日の短い旅ではありましたが、現地の方に大変興味深いお話をたくさん聞くことができました。嬉しかったのは、ただ「かつての牛深」の話を懐かしむだけではなく、今を生きる「牛深ハイヤ節」の姿に触れられたこと。すでになくなってしまった唄や習慣、物語を振り返るのも重要でしょうが、僕は現在進行形のメロディーとリズムに触れたい。それは世界中どこに行っても変わりません。牛深の港に吹く南風(はえ)を感じながら、僕はその思いを新たにしました。

なお、天草市中心部にもまた、キリシタンや「からゆきさん」らの悲しい歴史がたくさん残されています。この地域というと天草・島原の乱を思い浮かべる方が多いと思いますが、そうした悲しい歴史だけではなく、外国人を含むさまざまな人種が入り交じりながら独自の文化を育んできた人々の喜びや逞しさをもっと知りたい。そして、そういう生命の輝きみたいなものが刻み込まれた唄をもっともっと聴きたい。そう再認識させられる旅となりました。

ちなみに、熊本の後は福岡へ移動し、友人のコウタロウくんとトモコちゃんの結婚パーティにシークレット出演。ROJO REGALOのPICOさんとキョンキョン、奇妙礼太郎さんとトラベルスイング楽団からのお祝いコメントも流すことができました。コメント録りに協力してくださった皆さんに感謝。そして、コウタロウくんとトモコちゃん、本当におめでとう!

江戸の華やかさを味わえる浅草・三社祭

写真こんにちは、大石始です。2013年5月18日、浅草・三社祭へ行ってきました。
僕らが行ったのは2日目の氏子各町神輿連合渡御。ものすごい人垣ができている浅草寺前ではなく、慎ましい雰囲気の浅草神社の前に陣取って撮影をしてきました。
ここ数週間のうちに行った府中の「くらやみ祭り」や青梅の「青梅大祭」に比べると、江戸らしい華やかさが神輿や囃子から感じられるのが三社祭の魅力。洗練されていてオシャレ、それでいて浅草らしいルードボーイズムが祭りのなかにしっかり息づいていて、大都市・東京を象徴するお祭りらしい風格がありました。
三社祭は1312年に始められた浅草の船祭をルーツに持つとされ、江戸時代には浅草神社と浅草寺が一体になった「観音祭」または「浅草祭」として賑わったとされています。浅草神社は628年創建とされることから、かなり長い歴史を持つ神社。ただし、その浅草神社の大祭である三社祭そのものは大都市・江戸の発展と共に確立されてきた祭りであり、現在も受け継がれる神輿や囃子、びんざさら舞の伝統からは、江戸文化のモダンな魅力がしっかり伝わってきます。日本の古層まで突き抜けてしまうような土着的な芸能や祭りも最高ですが、ニューウェイヴ感のある三社祭もやっぱりステキですね。

B.O.N’s Recommend discs 5 – 高橋竹山 / 津軽三味線

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高橋竹山 / 津軽三味線(CBS SONY)
なんて瑞々しくて生命力溢れるグルーヴなんだろう!津軽三味線というと曲芸じみたトリッキーな演奏にスポットがあたりがちだが、問答無用の津軽レジェンドの演奏にはナチュラルなスウィング感があり、津軽の活き活きとした表情が顔を覗かせる。演目は“じょんから節”“よされ節”“おはら節”という津軽の代表曲で、部分的に語りが入る。降り積もった雪の山をも溶かす、熱くソウルフルな北国のファンク・ブルース。1973年12月、東京・渋谷ジァンジァンで行われた歴史的ライヴ・パフォーマンスを収めた名作中の名作。(大石始)

B.O.N’s Recommend discs 4 – 月乃家小菊 / 踊れ大阪総おどり

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月乃家小菊 / 踊れ大阪総おどり(歌舞音曲)
河内音頭・江州音頭の会派、月乃家会のホープが歌う新時代の音頭。まるでアフリカのジュジュのようなギタープレイに耳を惹き付けられるが、注目したいのはカップリングの“気持ちヨホホイホイ”、しかもそのダブ・ヴァージョン。手掛けるのはジャマイカの伝説的エンジニアにして、NYのガラージ・クラシックスにも関わってきたスティーヴン・スタンレイ。江州音頭が元来持っていた土着的で深淵な魅力が、ジャマイカン・スタイルの深いダブワイズによって亡霊のごとく立ち上がる。主役の歌声にもラヴァーズ・ロック的可愛らしさが。(大石始)


こちらがそのPV。ノリノリで宅をイジるスティーヴン・スタンレイが凄い。これぞジャマイカン・スタイリー!

ひとり三都物語ー大阪・出雲編

eltopo0511_omoteケイコです!ひとり三都物語、続きましては大阪。

大阪での目的は、ハジメさんがDJで「EL TOPO」というベリーナイスなワールドミュージックのイベントに出演ということで、私も遊びにいってきました。PICO NAKAJIMA & Kyon2 (ROJO REGALO)のライヴも温かい愛にあふれ、DJ陣のナイスなプレイもそれぞれとってもディープ!素晴らしく最高に楽しかった!

翌朝というかパーティー終了数時間後大阪を出発し、高速バスで出雲へと向かいます。

出雲大社は、大国主大神さまをご祭神としてお祀りする社です。伊勢だけでなく、出雲大社も遷宮の時を迎えています。遷宮というのは、簡単に言うとお引っ越し、ということですね。
「平成の大遷宮」は平成20年4月から平成28年3月までの8年間に渡る御修造です。そして先日の平成25年5月10日、大国主大神が御仮殿より御本殿へとお還りいただく祭事、「本殿遷座祭」が無事に執り行われたようです。大変壮大な神様のお引っ越しですね!

そんな出雲大社に到着!こちらが本殿遷座祭を無事に終えられた御本殿。
うわ〜かっこいい!悠然として威風堂々、それでいて爽やか。
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この注連縄の極太な存在感に生命力を感じてしまいますね、シビレます!

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奉祝行事として出雲神楽が上演されていました。こちらは松江市の「佐陀神能」。
奉祝行事は6月9日まで連続上演されるそうです。
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こちらは「ムスビのご神像」。日本神話を象徴する神像です。
「大国主大神が国造りに悩まれたとき、海の向こうから光り輝く神が現れた様子です。その神は、大国主大神自身の魂であるといわれ、大和の三輪山に祀れと告げられました。その後、大国主大神がお告げに従って大和の三輪山にご自身の和魂を鎮められたのが奈良県の大神神社の始まりです。大和朝廷の時代から三輪山は聖山として崇められていました。」
ーーこちらもスケールの大きなお話ですね。
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他にもまだまだ見所はたっくさんあるのですが、今回はタイム・アップ!残念ですが、次回リベンジしたいと思います!

駆け足の三都物語の最後は、美しい稲作の浜で夕日を拝んで。ちょっと時間が早かったけど、帰りのバスの時間があるのでもうきりあげなければ〜
名残惜しくも、出雲市駅へ向かうバスに乗り込んだのでした。
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駆け足なひとり三都物語、これにて無事おしまい!ぎゅぎゅっと充実した旅でした!

B.O.N’s Recommend discs 3 – 三波春夫 / 交通安全音頭

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三波春夫 / 交通安全音頭(テイチク)
企画・東京交通安全協会、推薦・警視庁交通部。83年リリース。昭和を代表するエンターテイナーが交通安全を歌う品行方正な音頭……と思いきや、B面の“交通安全でろれん音頭”はそのタイトルどおり、デロレン祭文(浪花節や江州音頭のルーツのひとつとも言われる祭文)をもじったもの。さすが日本古来の芸能を知り尽くした三波春夫。曲自体にさほど面白みはないが、御大の歌唱と言葉には時代を超えた味わいがある。いわゆる〈モンド音頭〉文脈から評価されることもある一枚で、ここでは御大の洒落っ気とプライドも感じ取りたい。(大石始)

ひとり三都物語ー伊勢編

ケイコです!先週末に「ひとり三都物語」ということで伊勢・大阪・出雲へと正味2日間、移動は電車と高速バスという強行スケジュールで旅してきました。 伊勢はあいにくの天気であまり写真が撮れずに残念でした。けれども雨のおかげで境内の木々の緑がよりみずみずしく見え、雨模様の伊勢もなかなかオツなものでした~。 伊勢神宮といえば内宮と外宮が代表的ですが、実は125社もある神社の総称なのだそうです。 こちらはそのうちのひとつ、伊雑宮(読み:イザワノミヤ 一般には イゾウグウ)。 内宮の別宮で古くから「天照大神の遙宮」とよばれているそう。 izouguu3 伊雑宮の周囲はぐるりと田んぼに囲まれていて、なんとものどかな田園風景が広がっています。 tannbo 鳥羽を経由して、外宮へ。

gekuu2まだ午前中だというのに、たくさんの参拝客でにぎわっていました。

こちらは、次の遷宮予定地。みどりがみずみずしかったです。   gekuu バスで内宮へ移動。この時点で雨は激しく参拝客で大混雑。

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池の水面もさざ波立ってます。

なんとか無事に参拝を終え、大阪へ。

B.O.N’s Recommend discs 2 – 江利チエミ / チエミの民謡ハイライツ

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江利チエミ / チエミの民謡ハイライツ(KING)
昭和30年代に訪れた全国的な民謡ブームを受け、大歌手・江利チエミが取り組んだ民謡ラテン・アルバム。十代からジャズを歌い、天才的なリズム感覚を持った彼女だけに、東京キューバン・ボーイズやストリングス・クバーノによるマンボ調のサウンドも楽々と乗りこなす。北は“ソーラン節”、南は“阿里屋ユンタ”まで、選曲はすべて全国の民謡。なかでも福島民謡“相馬盆唄”で聴けるアレサ・フランクリンばりの爆発的歌唱が壮絶。民謡ブーム終焉後、この手の民謡ラテン・アルバムがめっきり世に出なくなってしまったのが惜しい。(大石始)

B.O.N’S Recommend discs 1 – ぞめき壱 高円寺阿波おどり

こちらではB.O.Nオススメの作品を紹介。基本、民謡や音頭、囃子の音源を中心にするつもりです。記念すべき一枚目は…

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VARIOUS ARTISTS / ぞめき壱 高円寺阿波おどり(ABY RECORDS)
個人的には日本のトラディショナル・ミュージックに心を開くきっかけとなった一枚。東京・高円寺の阿波おどり団体(〈連〉と呼ばれる)による演奏を収録。この手の阿波おどり音源集と大きく違うのは、凄まじい低音の響き。「ああ、阿波おどりってベース・ミュージックなんだね!」と思い込んだまま高円寺阿波おどりに乗り込んだものの、その思い込みがまったく正しかったことを現地で知った。高円寺や徳島で受けた感動を本シリーズほど追体験させてくれるものはない。仕掛人は久保田麻琴さん。リスペクト。(大石始)