町中に「カッカッカー」という威勢のいい声が響き渡る、かみのやま温泉の奇習「カセ鳥」(山形県上山市)

昨日は山形県上山市で毎年行われている奇習「カセ鳥」を取材してきました、

「カセ鳥」とは「ケンダイ」とよばれる藁蓑で全身を覆った人々(今年は全部で34人)が町中を練り歩き、民宿の前などで「カッカッカーのカッカッカ」という歌と共に奇妙な舞を披露するという風変わりな行事。沿道の人たちはケンダイを被った人々に対して容赦なく冷水をぶっかけまくるのですが(!)、この奇習、実は寛永年間(1624〜1645年)から行われてるとされる歴史ある火伏せ行事。五穀豊穣を願うものでもありますね。

地元の図書館で郷土資料を片っ端からひっくり返してみたところ、明治以前は近隣で似たような行事が数多く行われていたことを知ってビックリ。カセ鳥も明治に入って一時伝統が途絶え、戦後になってから再開されたのですが、かつては「奇習」でもなんでもなく、そこいら中で行われていた行事だったわけですね。その背景や他の芸能・民俗信仰との共通性など考えさせられることも多く、とても意義のある取材となりました。

ちなみに、山形県上山市を舞台とした小川紳介監督作品「ニッポン国 古屋敷村」や「1000年刻みの日時計 牧野村物語」にメチャクチャ影響を受けているにも関わらず、山形に行ったのは今回が初めて。上山は蔵王への信仰登山の起点でもありますし、今回の旅で一気に目の前に広大な世界が開けてしまったような感覚があります。ここ数年、西にばかり意識が向かっていたのですが、東北方面への関心が久々に再燃しそうな気配!

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