昨日は栃木県小山市の伝統行事「間々田のジャガマイタ」(通称「蛇(じゃ)まつり」)に行ってきました。
この伝統行事は釈迦誕生の際、八大龍王が甘露を降らせて祝福したという故事に基づき、五穀豊穣と疫病退散を祈念して七体の蛇を作り、それぞれの集落から間々田八幡宮まで「ジャーガマイタ、ジャガマイタ」という印象的な掛け声と共に練り歩くというもの。「ジャガマイタ」という不思議な名前は、「蛇(じゃ)が参った」「蛇が巻いた」などの言葉をからきているとか。
このジャガマイタ最大の見せ場は、間々田八幡宮の境内の池で行われる「水呑みの儀」。全長15メートの蛇体ごと池に飛び込むのですが、その姿はまるで本当に蛇が水を飲んでいるかのよう。この後蛇体は集落内を練り歩き、悪霊退散を祈念することになりますが、池に飛び込むというのはおそらく水垢離(水を浴びて身を清め、穢れをとり除くためのもの)の意味合いもあるのでしょう。
また、七体の蛇体の作りはすべて異なっていて、ギラギラとした派手なものがあれば、地味ではあるもののクールな頭もあって、見飽きることがありません。
このジャガマイタもまた、観光客誘致を目的のひとつとするようになった高度経済成長期以降、それまで旧暦の4月8日(釈迦降誕の日)と決められていた開催日を5月5日の子供の日に移したり、祭りとしてのテーマをはっきり打ち出すために「八大龍王」と書かれた旗を伴うようになったりと、多くの変革が行われてきました。現在は全長15メートある蛇体も昭和初期までは50メートルもの長さがあったそうで、それが道路事情などの理由から現在の長さまで短くなったのだとか。
社会の変貌に対応しながら、400年もの長きに渡って継承されてきたとされる北関東有数の奇祭「ジャガマイタ」。八大龍王信仰をルーツとするその背景もふくめ、とても興味深い祭りでした!